2013年4月5日金曜日

『国際紛争』


国際紛争
ジョセフ・ナイ

政治学を専攻している学生でジョセフ・ナイの名を聞いたことのない人はいないでしょう。
これまで国際政治学者はかなり大まかに分けて、リアリストとリベラリストに分かれてきました。
前者の例を挙げるとすればツキュディディス、ハンスモーゲンソー、後者の例を挙げれば、ベンサム、ミル、ウッドローウィルソンあたりですね。

一般的にナイは、コへインとともにネオリベラリズムの代表として挙げられます。
ネオリベラリズムとは簡単にいえば、国家の行為は経済的相互依存や国際機関によって制約されると見るような考え方です。
本書ではリアリズムとリベラリズムについて言及し、さらに両者は現代社会を説明するのに限界を迎えていると説明します。
またナイは現実を常に直視しており、現実に起きたことから理論を導きだしています。

ペロポネソス戦争から説明は始まり、第一次世界大戦、第二次世界大戦と歴史的事件を背景に国際政治学はいかなるものか、またそれぞれの考え方を本書では紹介しています。
まさに国際政治の教科書といっていい一冊でしょう。

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