2013年4月5日金曜日

『アホ大学のバカ学生』グローバル人材と就活迷子のあいだ


『アホ大学のバカ学生』グローバル人材と就活迷子のあいだ

近年話題にあがりやすい、大学教育のあり方。
また、それと密接に関わっている就活の話です。

どれも現役の大学生、就活生にとっては耳を塞ぎたくなるような内容であると同時に、
どうしても耳を傾けてしまうような話題ですね。
学生、大学組織の両者を風刺したこの作品は、誰が読んでも面白いものだと思います。

まず、最近の学生に関してですが、
近年SNSやインターネットの普及拡大によって、若者の生活は大きく変化しました。
実際の場で意見を言えない人もTwitterFacebookに意見を投稿し、何かを主張する風潮が出来上がってます。
まさにデジタルネイティブと言われる若者たちですが、
一方で人間として最低限必要なスキルや常識が欠如しているとしばしば指摘されます。
(私もしかり)


次に大学に関してですが、
本にも出てきますが、近年の大学数は増えているそうです。
少子化の影響で小学校中学校高校それぞれの数は減っているのにもかかわらず。
確かに聞いたことのないような大学が多く出てきたし、
中には卒業生を一人も出さずに廃校してしまった大学もあるというのは驚きに値します。
大学は多様化し様々な学部を携え、多くの教育システムが生まれていることは間違いないでしょう。
例えば、大学生の基礎力を徹底的に養う大学などが作中で挙げられておりました。

また著者は近頃上昇傾向の国際教養大を例にとり、グローバル人材育成の重要性を
指摘しています。
私の友人に早稲田の国際教養学部の学生が多くいますが、天文物理学から、開発経済までと幅広いことを学んでいるようです。
一方で専門性の欠如が指摘されていますが、他の一般有名大学に通う学生にも専門的な知識など期待できるのでしょうかと言われると‥ 特に文系学生。


どちらにせよ、今後日本の大学が衰退するのは間違いないことです。
他のアジア諸国の大学が授業を英語で行い、積極的に海外の大学と提携しており、
グローバル化に合わせた教育を念頭に置いているためです。
これらの新興国の大学に抜かれるのは時間の問題であり、既にほとんどが負けていると言っても過言ではないでしょう。
また、日本人の優秀な学生の海外流出も増加する気がします。

これまではアメリカやヨーロッパへの流出が主流でしたが、
よりコストの低いアジア諸国の大学への進学や留学が増える可能性もありそう。

またビジネスの場に置いても新興国市場で通用する人材を求めているため、
このような国々で経験を積んだ学生は重宝されますよね。

そのような潮流の中で、日本の大学は一体どのような手を打つのでしょうか。
今後の大学教育に注目していきたいと思った一冊でした。

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