2013年4月5日金曜日

『舟を編む』


『舟を編む』
三浦しをん

自分の知らない社会の側面を教えてくれるのが本のいいところ。
2012年本屋大賞という帯が目に入ったため手に取ってみることに。

言葉はその国の文化を象徴するものであり、言語によって人々は多少の束縛を受ける。
日々変化し、追加されていく言葉は、社会と連動している。
膨大な数の言葉を一つにまとめたのが辞書。
『舟を編む』は辞書制作に人生をかける人々を描いた作品。

作品中に出てきた、辞書ごとに性格がある、というのは非常に興味深い点で、確かに幼少の頃、国語辞典によって同じ言葉でも解説が違ったな、と曖昧ながら思い出す。
現在個人的に最も多く使用するのは英語の辞書だが、制作した会社、人々によって解説文や例文はだいぶ異なるのはどの言語の辞書も同じだ。

この作品を読んでいると、自然と一字一句の意味を咀嚼しながら読もうとしてしまう。

現在では多くの人々が2~3カ国語ができる時代が到来し、日本人でも未だマイノリティだが、外国語ができる人々が増えている。
やはり言語を多く知っているということはより多くの考え方、価値観、文化に触れることができる入り口、または手段となるため、今後不可欠なスキルとなるだろう。その一方で、母国語に関して関心を持ち、知らない外国語を調べるような気持ちで、日本語の意味を改めて、咀嚼していこうと思う良いきっかけとなった。

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