2013年4月18日木曜日

『浪費が止まるドイツ節約生活の楽しみ』

『浪費が止まるドイツ節約生活の楽しみ』
サンドラ・へフェリン

 ドイツには何度か行ったことがある。街もキレイで、人々も真面目な人が多いような印象だった。日本やスイスほどではないが、電車もほぼ時間通りに発着する。良い意味でキッチリとしたことが好きな国民性なのだろう。

 第二次世界大戦の敗戦国として、しばしば比較される日本とドイツ。似ている部分もあれば、全く異なる部分もある。本著ではその異なる部分を改めて痛感する結果になった。
いくつか紹介する。

⑴環境に対する意識
 環境先進国と呼ばれるドイツ。国や地方自治体が行う環境政策、あるいは企業による環境への取り組みの積極性はどの国も見習うべき点である。しかしそれらの意思決定を後押ししている、というか、尻をたたいているのは、他ならぬ市民なのである。
 例えば、マスメディアに登場する広告一つでも日本と違いが出る。ドイツでは環境に配慮しているという点が最も強調されるそうで、市民は環境に配慮しているかどうかで、商品購入の意思を固める場合が多い。つまりグリーンコンシューマーが多いため、企業も環境への取り組みを積極的にやらざるを得ないのだ。
 日本でも最近は環境にやさしい、などというフレーズが使われるようになったが、日本人はあくまで、経済的な障壁(環境に配慮した場合にかかる追加的な費用)がなくならないと、購買行動には移さないことが多い。
 また、環境に配慮して生活を送ることは、結果的に節約志向につながると筆者は述べていた。

⑵健康に対する意識
 ドイツ人は健康体を最も重要視する。食事にも気を使っているようだ。
(しかし、私が訪れた際は、バカでかいデザートやバカでかい肉を食っている人々が目に付いたが‥)ドイツ人は朝、昼をしっかり食べて、夕飯を質素にすませる。確かにこれは健康に良さそうだ。
 また、女性に関しては自然体が最も美しいとされ、無駄な化粧などは使用しないようだ。やせ過ぎもあまり良くない。

⑶個人の自立心
 ドイツ人は自立にこだわる。例えば、女性は結婚後も働く。いざというときに自分で生計を立てていけるように備えておく意図があるらしい。女性の社会進出という点では、日本は見習うべき点が多いだろう。
 子育てに関しても同様で、子どもに対しても一人前の自立を求める。なんと12歳で将来の職業を自ら決定し、その道に進むという。ドイツ人は生まれ持った才能を大事にするという国民性が垣間見える。この点は日本と真逆。子どもには子どもの対応を、という色が日本では強い。アメリカでもそうであったが、子どもでも「一人の人間」として対応されることが欧米では多い。

読んでいると、これはさすがにケチすぎる、突っ込みたくなる点も多々あったが、浪費癖のある人に是非一読することをおすすめしたい。


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