2013年6月15日土曜日

『マイクロマーケティング入門』

鈴木豊

グローバル化が進展する現代だが、次第にローカルな面が重要視されている傾向にある。
これは主に政治学の世界で言われていることだ。

国境を越えた取引や活動を通して、それぞれの結びつきが強くなった一方で、文化や価値観、あるいは経済格差など、様々な問題が生じている。
人々は自分のコミュニティーをより重視するようになり、極端な例を挙げれば、フランスの極右政党の対等なんかもその一つではないだろうか。

そんななか商業はどうなのか。
依然として大規模で価格の安い大手ショッピングセンターなどの進出により、中小の個人商店は危機を迎えている。
もちろん大規模な企業が同じ地域に参入してきたことで、価格や品揃えの面など個人商店では絶対に勝てない要素がある。

アメリカで勢力を拡大するウォルマートは一部で大きな批判を受けている。それまであったローカル経済を破壊し進出するそのスタイルは、まさに帝国主義時代の諸列強国のようであると。

しかしながら、そういった大規模のチェーン店でも、かなり綿密なマーケティング戦略が取られているところもある。
特にその地域で生活する人々が何を求めているのかをしっかり把握し、売り場のレイアウトや品物のディスプレイ方法などを細かく変更している所もある。

店舗ごとに特色がある、というのは面白い。その地域ではどのようなニーズとウォンツがあるのかが他店と比較して明らかになるからだ。

おそらくは小売業に従事する人に向けて書かれた本であるが、消費者目線で読んでも面白く、今後の何気ない買い物に少し花を添えることになるだろう。

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