2013年6月1日土曜日

『シャネルの戦略』

『シャネルの戦略』
長沢伸也

世界で最も有名なブランドの一つ、シャネルの経営戦略について検証した一冊。
ラグジュアリーブランドのマーケティングの参考になるのはもちろん、どの企業や団体に対しても参考になる内容である。

ルイヴィトンなどと比べて、シャネルは異色の存在だ。
ココ・シャネルという、いわば起業家が一から作り上げ、彼女の死後もブランドの地位を維持し続けている。

重要なのは、伝統を尊重しつつ、革新をしていくこと。
他には代替できないような技術を存分に活用し、商品を作ること。
以上の2つに凝縮される。

いわゆる絶対的なリーダーが引っ張ってきた企業は、そのリーダーがいなくなると、突然うまくいかなくなる場合が多い。
まさに現代のアップルはそうなのではないか。
確かに売り上げといった「結果」だけに目を向けると、依然として突出した結果を残しているアップルだが、以前のような革新性に欠けるように感じる。
革新を追い求めるには自身を適切に理解し、加えて世の中の変化に敏感でなければならない。
その点でシャネルは非常に柔軟な商品戦略をとっている。

著者が言うように、シャネルは、ファッションを消えゆくものとし、消えることのないスタイルを追求した。だからこそ現代でもそのブランドを維持できている。

伝統は継承しつつ、新しいことは大胆に。
そして徹底的な技術経営。
シャネルが世界のトップブランドの一つとして存在する理由が少し理解できた気がした。






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