2013年7月27日土曜日

娼年

石田衣良

バーでアルバイトをするリョウは、ある日突然訪れた男性クラブのオーナーに誘われ、
男娼として働き始める。

男娼として働くうちに、女性が見せる多様な快楽を目の当たりする。
自分の見た事がない世界をさらに見たいという欲望から、仕事を続ける事になるリョウの前に、大学の友人であるメグミが現れ、物語は終盤へと向かって行く。

村上春樹を感じさせた。
リョウは、性などに対して無関心であるが、なぜか色々とうまく行く。
あまりにも現実離れした展開に笑ってしまうこともあったが、
これが自分の知らない現実のどこかでは、本当に起こっている話であるのかもしれないと思うと、リョウのようにもっと知りたいという感覚を覚える。

そもそも現実離れした、という場合の現実とは、自らがそれまで生きてきた人生経験に基づいている。したがって各々が考える現実には、だいぶ個人差がある場合が多いと言える。男娼とは言わないまでも、さらに多くの事を若いうちに経験しておきたいと思わせるような一冊だった。


0 件のコメント:

コメントを投稿