2013年5月25日土曜日

『メディア・コントロール』

『メディア・コントロール』
ノーム・チョムスキー

主にアメリカ民主主義とメディアの問題点を批判した一冊。
言語学者だが、戦争やメディアに関する業績も突出しており、アメリカが行う多くの戦争に対して反対の意を唱えていることもも有名である。

民主主義社会といえば、国民主権などが前提。そしてな何より、情報へのアクセスが不可欠である。
しかしチョムスキーはその情報へのアクセスがアメリカでは全く実現されていないという。
メディアは大衆の動向を操作するために使用されてきた。そして21世紀現在もそれは変わらない。

日本でも未だにマスメディアが大衆に与える影響は大きい。
先日の中国での反日デモのように、一部の人間だけが騒いでいる事態を、煽って報道することも少なくない。

しかし、私はマスメディアは腐敗したとは思わない。なぜならば、民衆を操ることこそマスメディアの一番の役割だからである。
真実を伝えるといった姿勢は全く感じられない。
そのかわりに市民がインターネットなどを利用して、自ら情報を取捨選択する時代になっている。
市民対権力という戦いの構図は今後もかわらないが、内容は随分と変化するだろうと推測できる。

本書を皮切りに、メディア論などに関する本を続けて読んでいく予定だ。


0 件のコメント:

コメントを投稿